無効・取消し・解除の違い
宅建試験でよく比較される”無効”と”取消し”の違いに”解除”も含めて比較してみましょう。
無効 | 取消し | 解除 | |
意味・効果 | はじめから効力が無いこと | 取り消しの意思表示をすることによって無効になること | 解除の意思表示をすることによって無効になること |
期間制限 | なし | 5年、20年などの制限あり | 1年、10年などの制限あり |
法律の規定 | 法律で規定されている | 法律で規定されている | 法律の規定以外に合意解除もできる |
取消しは”一応は有効”な契約を取り消すことであるのに対して、解除は”完全に有効”な契約を解除する点に違いがあります。
合意・同意・承諾の違い
合意 | 同意 | 承諾 | |
意味 | 当事者の全員の意思が一致(合致)すること。 | 他人の行為に賛成の意思を表示すること。 | 申込みと結合して契約を成立させる意思表示のこと。 |
解説 | 同意と異なり、当事者の一方が能動的で他方が受動的立場に立つことは不要です。 | ”この指とまれ”のように、何かしらの意見が示されている場合に、それに同調する行為です。 | 申込みと承諾が揃うと”合意”になります。 |
承認・認可・許可の違い
承認 | 認可 | 許可 | |
意味 | 一定の行為又は事実の存在を、行政が許諾または肯定すること。 | ある人の行為に行政が同意を与えることで法的な効力を持つようにすること | 法令などによって一般的に禁止されている行為を、行政が特定の場合に解除する行為のこと |
解説 | 3つの中では1番弱い。肯定的な意思表示を与えて認めるだけにすぎません。 | 例えば銀行の合併には認可が必要です。本来は認可が必要なことを認可を得なかった場合、法律上の効果が発生せず無効です。 | 例えば人の手術は禁止されていますが、医師には許可されています。 無許可で行ったことは無効になりません。手術が無かったことにはならないからです。 |
条例・法律・法令の違い
条例 | 法律 | 法令 | |
意味 | 普通地方公共団体の区域内で適用される自治立法のこと。 | 法律とは、憲法の定める方式により、国会の議決を経て制定される国の規範のこと。 | 「法律」(国会が制定する法規範)と「命令」(国の行政機関が制定する法規範)の総称のこと。 |
投稿者プロフィール

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宅建士、司法書士、行政書士、貸金業務取扱主任者など法律系資格を取得。
法律未学習・高卒・フリーターから宅建試験をきっかけに法律の道を進む。
大手予備校で難関資格講座を5年間、宅建士講座を6年間の講師をして合格者を多数輩出。
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