1.心裡留保とは
心の裡(うら)を留保することです。難しく感じますが簡単です。ようはウソや冗談で契約をしたときのことです。
2.心裡留保で契約したらその効果はどうなるか?
心裡留保により契約をした場合、以下のように原則として有効になります。
原則:相手方が善意無過失なら有効
(ex.)PCを100円で売ってもらえる契約について善意無過失なら100円で売ってもらえます。
相手からからすれば嘘と知らずに契約したわけなので、契約が有効に成立した方が嬉しいですよね。
例外:相手方が悪意または善意有過失なら無効
なぜ相手方が悪意・善意有過失なら無効なのか?
嘘や冗談の契約だと知っていた人や落ち度がある人まで保護する必要はないということですね。
3.善意の第三者に対抗できるか?
AとB以外の登場人物として以下のCのように善意の第三者が登場した場合はどうなるでしょうか?
この場合、上記の例外の無効になるはずであった場合でも、その無効を善意の第三者に対抗できません。(93条2項)
「この無効は善意の第三者に対抗できない」と言われてもよく分かりませんよね。これはどういうことでしょうか?
以下の図を見て下さい。
Bが悪意なので本来であればAは「この契約は無効だ!返せ!」と言えるはずです。
しかし、AB間の心裡留保について善意のCに対してAは「この契約は無効だ!」と言えません。
Cは善意なのでCを保護してあげないとかわいそうだからです。
よって、この土地はCのものになります。
投稿者プロフィール
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宅建士、司法書士、行政書士、貸金業務取扱主任者など法律系資格を取得。
法律未学習・高卒・フリーターから宅建試験をきっかけに法律の道を進む。
大手予備校で難関資格講座を5年間、宅建士講座を6年間の講師をして合格者を多数輩出。
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